T社は、従業員28人の自動車関連部品の製造業、創業35年。東京都葛飾。
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T社は、世界シエアトップの企業から指定工場にされている。不良品を一定以上出すと、損害賠償の「誓約書」を毎年提出させられる。
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そんな関係から、M社長は、品質には、ことのほか神経質だ。
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昨日、顧客から「納入製品の数量ミス」のクレームが発生。電話をうけて、すぐに対応した。いつも動きは素早い。なんとか、午前中にトラブル処理を完了した。
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M社長は、帰りの車の中で考えた。「どうして、こんな事が、何度もおきるのか?」原因を考えてみた。担当者を叱れば直るなら苦労はない。
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「人の問題」と片付けるのは簡単だが、「うちあたりに優秀な人材がくるのは、偶然でしかない」と冷静に考えていた。
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何とか「会社全体の管理レベルを上げる仕組はないか?」と考えてみた。2日後以前出席した商工会議所のISOセミナーのことを思い出した。早速、その時の講師(コンサルタント)の連絡先を探し出し、すぐにTELした。
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じっくり話を聞いて早速契約。そして、8ケ月後無事にISOの認証を果たした。
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ミスが起こる前に、チエックする仕組が機能し、不良品が殆ど社内で見つかり顧客からのクレームは以前の半分以下になった。最もメインの大手顧客から褒められた。
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更に半年が経過しISOが定着し、「不適合」=トラブルや事故=が発生すると、職場で自主的に「ミーテイング」が開かれるようになった。
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1. 状況把握 2.原因分析 3.再発防止策の検討 4.対策の計画
5.対策の実行と有効性の確認といった、ISOのコンセプトが、従業員の口から、自然に出るようになった。
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その結果、工具や検査機器の改善、製造プロセスの変更などの改善提案が出るようになってきた。どれも具体的なものばかりだった。
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社長は、これらをどんどん取り入れた。この為の一時的出費は我慢した。
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「もぐらタタキ」のような1年半前とは大きな違いだ。
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M社長は最近思う。「あの時ISOに取り組んでいなければ、どうなっていたか?」
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さらに、年々生産性が上がり、投入材料費も相対的に減った。徐々に利益に反映してきた。年間に直すと数百万円になる。 |
積極的に「提案」してくれる。優れた提案には特別賞与で応えた。待遇も改善できる余力が生まれた。
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近隣の工場から優秀な技術者の転職希望者の問合せが目立つようになってきた。
その中から、3人の社員を採用した。いずれも、経験豊富な技術者ばかりだ。
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「ISOのお陰だ」と密かに思っているM社長。この事例は、多くを示唆示している。
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当初、M社長は「人材」が居れば、と思っていた。しかし、M社長はISOを導入した。
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小企業の永遠のテーマ「企業体質の強化」がISOによって、もたらされた。
この物語は、全て我々コンサルタントの「実体験」に基づいて、構成されています。
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