ISO9001を取った企業が14001を取るのは超簡単?
「136 対 52」
この数字は、ISOの規格要求事項の「9001対14001」の項目数の比較である。
9001の約38%のウエイトが14001だ。14001の「簡単さ」が、まずこれでわかる。
更に、14001の52の要求事項のうち、約40%が9001と重複している。
と言う事は、9001の経験がある企業が14001で新規にシステム構築する
ルールは、30項目になる。
9001の構築より、100項目も要求事項が少なくなる。
「超簡単」という言い方も頷ける。
実際、14001でも、内部監査、マネージメントレビューなどは、検討内容が違うだけ
で、やり方そのものは、変わらないのだ。
経験があれば半分以下のエネルギー
ISOを、「いろはのい」から始めるのと、すでに9001の経験で、そのコンセプト、用語、
パターンに慣れている企業が14001に取り組むの事は、精神的、物理的エネルギー
は、半分以下で足りる。
14001と9001規格の違いのポイントは、14001から言えば、
1. 法令の遵守
2. 環境側面の把握と管理
この2点に重点があることに尽きる。
詳細は略すが、正直言って中小企業で、ある特定の業種以外では、難しい
システム作りや分析(環境の)作業は、とても少ない。
法律については、所在する地方自治体のホームページで殆どチエックできる。
更に手間が省ける方法があった!
それは、統合マニュアルにすることだ。
統合とは、9001と14001を一つのシステム、一冊のマニュアル(品質環境マニュア
ルとする)で、構築してしまう方法だ。
すでに、9001システムが存在するわけだから、14001のみの「要求事項」を新規に
作る事になる。
当グループが最近指導した、半導体関係の中堅製造業(45人・東京)の例で言うと、
(統合)マニュアルが、54ページで、認証を果たした。
6項目しかない
そのシステムのISO統合マニュアルの目次を見ると、9001の規格項目と14001の
項目が一覧で対比されている。
するとどうだろう「純粋に14001規格のみの新規規格要求」は、6項目しかない!
つまり、9001と重複する要求、例えば、「方針」は、品質方針と環境方針にそれぞれ
なるのだが、統合では、「品質・環境方針」と一本化して表現する。
その他、例えば教育訓練などは、やはりパターンは9001の枠組みを使って、
環境の教育項目を1,2加える形になる。
つまり、新たに帳票や、マニュアル手続(ルール)を作るのではなく、項目を追加
していく形になる。
「超簡単」は本当だった!
このように見ていくと、9001を取得した企業が追加で、14001に取り組むのは、
実際、新規に9001に取り組むのに比べると「超簡単」になる。
特に、14001の「環境側面」の「負荷が小」である業態の企業の場合は、この言葉が
完全に当て嵌まる。
そして、審査の手間も別々に受けるより軽減(=工数削減)されるのは、間違いない。
そして、それは、審査費用に反映するのも、また同じだ。
結論
1. 9001を取得している企業で、14001に関心又は、潜在的必要性があれば、
すぐに取り組むべきだ。
2. そのとき、システム、マニュアルを統一して、「統合マニュアル」にすべきだ。
3. 中小企業の場合、管理責任者は9001と14001両方兼務にする。
以上が、今のISO取得の流れ(トレンド)に沿った、お勧めの取り組み方だ。
是非参考にして頂きたい。
ISO原人
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